「ボストン美術館×東京藝術大学ダブル・インパクト明治ニッポンの美」

アート

Posted on 2014-12-18
「ボストン美術館×東京藝術大学　ダブル・インパクト　明治ニッポンの美」

「ボストン美術館×東京藝術大学　ダブル･インパクト　明治ニッポンの美」小林永濯　《菅原道真天拝山祈祷の図》

小林永濯《菅原道真天拝山祈祈祷図》1860-90年頃、ボストン美術館
William Sturgis Bigelow Collection, 11.9412 Photograph ©2014 Museum of Fine Arts, Boston.

[Text:蓬田修一]

2015年4月4日（土）から5月17日（日）まで東京・上野の東京藝術大学大学美術館で、2015年6月6日（土）から8月30日（日）までは名古屋市・中区の名古屋ボストン美術館で「ボストン美術館×東京藝術大学　ダブル・インパクト　明治ニッポンの美」がそれぞれ開催されます。

アメリカ・ボストン美術館と東京藝術大学のふたつのコレクションを合わせる“ダブル・インパクト”によって、19世紀後半からの日本と西洋との双方向的な影響関係を再検討しようとする展覧会です。

開国以来、日本は常に西洋からの衝撃（ウェスタン・インパクト）を受けつつ近代化をはかりました。一方、来日した西洋人たちはニッポンの文化、芸術に驚き、インパクトを受けてきました。

これまで、日本人がいかに西洋から衝撃を受けたかについては多く語られてきたものの、西洋人が日本からどのような衝撃を受けたかについては、いわゆるジャポニスムという範囲でしか語られてきていませんでした。しかもそれは、ほとんどフランスを中心としたヨーロッパ美術に限られた関係にとどまるものでした。

もちろん、西洋人一般が日本の浮世絵を賞賛したことは「ジャパニーズ・インパクト（日本からの衝撃）」の象徴的出来事です。しかし、実際に幕末明治期に日本に訪れた西洋人たちは、驚きのまなざしをもってそこに暮らす日本人と同時代の日本美術とを発見し、紹介していたのです。

本展で紹介する東京藝術大学のコレクションは「ウェスタン・インパクト」の象徴、一方、ボストン美術館の近代コレクションは「ジャパニーズ・インパクト」の象徴とみることができるでしょう。

ふたつのコレクションを合わせることによって見えてくる「明治ニッポンの美」の歩みが紹介されます。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
　
「ボストン美術館×東京藝術大学　ダブル・インパクト　明治ニッポンの美」
〈東京展〉
会場　東京藝術大学大学美術館
会期　2015年4月4日（土）から5月17日（日）まで
観覧料金　一般1500円(1300円)、高校・大学生1000円(800円)、中学生以下無料。ダブルチケット2枚つづりで2000円
※（　）内は前売り。前売券およびダブルチケットの販売期間は1月下旬（予定）～4月3日。
問い合わせ TEL：03-5777-8600（ハローダイヤル）
〈名古屋展〉
会場　名古屋ボストン美術館
会期　2015年6月6日（土）から8月30日（日）まで
観覧料金　一般1300円(1100円)、高校・大学生900円(700円)、中学生以下無料。
※（　）内は前売りおよび平日午後5時以降の割引入館料金。
問い合わせ TEL：052-684-0101