アート

Posted on 2026-02-09
東京国立近代美術館 2026年企画展スケジュール


 

東京・竹橋の東京国立近代美術館で、2026年に開催される企画展を紹介します。

 

2026年3月17日(火)~5月10日(日)

《弱法師》右隻(部分)
1915(大正4)年
重要文化財
東京国立博物館蔵
Image: TNM Image Archives (前期展示:3/17~4/12)

※画像の無断転載は禁じられています。ご遠慮ください。

 

下村観山(1873~1930)の、関東圏では13年ぶりとなる大規模な回顧展です。

紀伊徳川家に代々仕える能楽師の家に生まれた日本画家・下村観山は、幼時より画の才能を発揮し、橋本雅邦に学んだのちに東京美術学校に第一期生として入学しました。

卒業後は同校で教鞭を執るも校長の岡倉天心とともに辞職、日本美術院の設立に参加し、岡倉の指導のもとで横山大観、菱田春草らと新時代にふさわしい日本美術の道を切り拓きました。

観山は古画の模写・模造事業への参加、1903年からの2か年にわたるイギリス留学・欧州巡遊などを通して自身の高い技術力に磨きをかけていきました。

《木の間の秋》(1907年)、《小倉山》(1909年)には、その成果として、やまと絵や琳派の技法を十分に消化しつつ、西洋画由来の写実的な表現を融合させた跡がうかがえます。

岡倉の没後は《弱法師》(1915年、重要文化財)のように、主題の着想やその表現に創意工夫をこらした作品も生み出されました。

本展では、観山の代表作により作家の画業を通観するとともに、最新の研究成果も盛り込みながら、日本の近代美術史における観山芸術の意義を改めて検証します。

 

 

2026年6月16日(火)~9月13日(日)

杉本博司 《相模湾、江之浦》 2025年
ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×149.2cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

※画像の無断転載は禁じられています。ご遠慮ください。

 

様々な領域で活動する現代美術作家、杉本博司(1948~)。

小田原文化財団 江之浦測候所をはじめ建築分野でも活躍し、日本の古典芸能など舞台芸術の演出では国内のみならずヨーロッパ数都市やニューヨークにも進出。その活動分野は書、陶芸、和歌、料理と多岐にわたっています。

そんな多才な杉本の芸術の原点は銀塩写真にあります。

確たるコンセプトに基づく、独自の表現による作品はまた、銀塩写真の技術としても頂点を極めるものであり、写真がデジタルに置き換わった今、その技法はまさに「絶滅が危惧される」ものと言えます。

本展では杉本の初期(1970年代後半)から現在に至る銀塩写真約60点を展観します。

写真作品で構成する美術館での個展は、2005年の森美術館以来の開催となります。

さらに、所蔵作品ギャラリー3階にて当館所蔵杉本作品全点、また未公開資料「スギモトノート」(※)をサテライト展示します。

※スギモトノート:写真作品制作における、撮影時および暗室での作業工程の覚書を記したノート。1970年代半ばより記録は始まります。

 

  

2026年10月23日(金)~2027年1月11日(月・祝)

竹久夢二《黒船屋》
1919(大正8)年
竹久夢二伊香保記念館

 ※画像の無断転載は禁じられています。ご遠慮ください。

竹久夢二(1884~1934)は、画家、詩人、ジャーナリスト、デザイナー、イラストレーターなど、いくつもの顔をもつ表現者として、明治の終わりから昭和のはじめにかけて活躍しました。

「夢二式」と呼ばれた女性像や、レトロモダンなデザインによって、大正ロマンを象徴する人物として知られています。

田舎への郷愁と都会の洗練を行き来しながら、江戸の面影や異国への憧れとともに、同時代の風俗を描き出した夢二の作品は、雑誌や絵葉書、展覧会などを通して広く大衆に流布し、一世を風靡しました。

また、暮らしを彩る日用品のデザイン、子どものための本や雑誌作り、流行歌「宵待草」の作詞、関東大震災を記録したスケッチと言葉など、その仕事の同時代や後世への影響は計り知れません。

本展覧会は、夢二の代表作として名高い《黒船屋》をはじめ、日本画や油彩画、スケッチ、多種多様なデザイン、スクラップブックなど、全国各地の夢二コレクションの作品を一堂に集めることで、その多岐にわたる仕事に迫ります。

「美術」という枠を超えて、時代を捉え、流行を生み、人々に愛された表現者、夢二を知る格好の機会です。

 

 

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