アート

Posted on 2020-02-27
横浜美術館 蔵屋美香氏 新館長へ



撮影:田中功起 


東京国立近代美術館などの美術展を手掛ける
横浜美術館は、2020年(令和2年)3月31日をもって逢坂恵理子館長が退任し、新館長として4月1日付で蔵屋美香(くらや みか)氏が就任することを発表しました。

逢坂氏は2009年4月に館長就任。その間、2011年、2014年、2017年と3回の「ヨコハマ トリエンナーレ」では中心的立場で携わりました。 今後も、横浜トリエナーレ組織委員会副委員長として、「ヨコハマ トリエンナーレ2020」に関わります。

新たに就任する蔵屋美香氏は、東京国立近代美術館において数々の展覧会を手掛けてきました。2013年の第55回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展では、日本館キュレーターを務め、 国別参加部門で日本館として初めての特別表彰に選ばれています。

横浜美術館は2021年3月から大規模改修工事のため休館に入り、2023年度中のリニューアルオープンを目指します。

蔵屋 美香(くらや みか)氏 略歴
1966年千葉県生まれ
1993年より東京国立近代美術館 勤務
2008年より同館 美術課長、2016年より同館企画課長
2013年第55回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館キュレーター(特別表彰)
2018年第7回横浜トリエンナーレ アーティスティック・ディレクター選考委員会委員

蔵屋氏が手掛けた主な展覧会
「ヴィデオを待ちながら:映像、60年代から今日へ」(2009年、東京国立近代美術館 三輪健仁との共同キュレーション)
「ぬぐ絵画:日本のヌード1880 1945」(2011 2012年、東京国立近代美術館/第24回倫雅美術奨励賞)
「高松次郎ミステリーズ」(2014年、東京国立近代美術館/保坂健二朗、桝田倫広との 共同キュレーション)
「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」(2017年、東京国立近代美術館)
「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」(2019 2020年、東京国立近代美術館/五十嵐太郎との共同キュレーション)
「abstract speaking sharing uncertainty and collective acts (邦題 抽象的に話すこと 不確かなものの共有とコレクティヴ・アクト)」(2013年、第55回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館 アーティスト:田中功起 特別表彰)
 
 
逢坂恵理子氏 退任あいさつ
このたび私は、2020年3月31日をもって横浜美術館館長を退任することとなりました。11年の長きにわたり、ご支援いただきました皆様に、改めて心より御礼申し上げます。

2009年4月の着任時は、横浜市が導入した指定管理者制度のもと、横浜美術館は、指定管理者として2年目の厳しい時期を迎えていました。同年9月に着任した林文子市長は、文化政策を積極的に打ち出し、横浜美術館の新たな試みや努力を支持してくださいました。

2013年からの指定管理第二期は、「国際性と発信力」「教育プログラム」「市民との連携」「営業力」「経営基盤」をそれぞれ強化することを念頭に、時代の変化に即して横浜美術館の新たな魅力を引き出す活動に重点を置いてまいりました。昨年11月に横浜美術館は開館30周年を迎えました。年間を通じ特徴ある企画展、国際シンポジウム、記念書籍の発行、海外の美術館での当館写真コレクション展の開催など、館員が一丸となってこれまでの成果を結実させることができた1年でした。そして今年、ヨコハマトリエンナーレ2020 を含む3つの展覧会を終えた後、2021年3月から横浜美術館は、大規模改修のため閉館いたします。

こうした節目は、館長交代にふさわしい時期です。このたび、学芸員として国内外で優れた実績を積んできた蔵屋美香さんが、第6代館長に就任する運びとなりました。まだ50代前半の若い館長であるからこそ、時代に呼応した美術館像を検証し、魅力ある文化拠点として、リニューアルオープン後の新生横浜美術館を牽引してくださると確信しています。海外に開かれた港町、横浜は、19世紀半ばから国内外の人や文化、技術、情報の交流を促進してきました。

21世紀を象徴する開発地、みなとみらい21地区に位置する横浜美術館は、交流を通して美術の振興に寄与し、多様性を享受し、時代が変遷しても人間性にとって美術が必要不可欠であることを発信する場として、新館長のもと、市民の皆様とともに歩んでいくことでしょう。

引き続き、皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。
 
   




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