アート

Posted on 2022-02-10
現代の写真作品と絵画の関係を考える展覧会



柴田敏雄 《高知県土佐郡大川村》 2007年 東京都写真美術館蔵 

 
柴田敏雄と鈴木理策 近代絵画に共通する造形思考
アーティゾン美術館(東京・京橋)で「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」が開催されます。

写真が19世紀に発明され普及し始めた頃、絵画は印象派をひとつの起点として、それまでの伝統的な表現から大きな変革を繰り返しました。

そのモチベーションには、写真の存在が少なからずありました。

その一方で、写真は19世紀なかばの誕生の頃より、美術作品として、記録的な目的ではない絵画的な表現が模索されました。

その意識は、現代に至るまで綿々と続いています。

今回の展覧会で取り上げるふたりの写真家、柴田敏雄と鈴木理策の作品には、ものを見て表現するという、近代絵画に共通する造形思考が感じられます。

展覧会では、両作家が活動初期から関心を寄せ続けていたセザンヌの作品を起点に、現代の写真作品と絵画の関係を考えます。

展覧会は6セクションで構成。柴田、鈴木両作家の新作・未発表作品約100点を含む約240点と、石橋財団コレクションより約30点、合わせて270点を超える作品で構成します。

自然に即しながら自分の視覚的感覚を実現
柴田敏雄の作品は、ダムや橋といった自然の中の人工的構造物が題材。

作品を絵画との関係を意識して形態を単純化し、かつ主たるモティーフを浮かび上がらせることで見る者の想像力に働きかけます。

鈴木理策は、サント=ヴィクトワール山、セザンヌのアトリエ、桜や雪といった対象を、カメラという機械の知覚を通して、人間がものを「見ること」への問題意識を提示します。

作家にとって、ポール・セザンヌの自然に即しながら自己の視覚的感覚を実現することを果敢に試みた芸術家としての態度とその革新的な作品は、重要な参照であり続けました。
    
 
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策
写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策

会期 2022年(令和四年)4月29日(金・祝)から7月10日(日)まで
会場  アーティゾン美術館 6階展示室、4階展示室内ガラスケース
開館時間 午前10時~午後6時(4月29日を除く金曜日は午後8時まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日
入館料 日時指定予約制(2022年3月1日(火)よりウェブ予約開始)
ウェブ予約チケット1200円、当日チケット(窓口販売)1500 円、学生無料(要ウェブ予約)
*この料金で同時開催の展覧会も観覧できます。
*ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売します。
*中学生以下はウェブ予約不要です。
 
   

ポール・セザンヌ 《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》 1904-1906年頃 石橋財団アーティゾン美術館蔵 

 
 

鈴木理策 《サンサシオン 09, C-58》 2009年 作家蔵 

  
 
 
           




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