アート
Posted on 2024-07-14
神秘と幻想の画家 ロベルト・ヴィルヘルム・エークマン 厳選10作品
フィンランド美術史において燦然と輝くロベルト・ヴィルヘルム エークマン(Robert Wilhelm Ekman)。
彼の作品は、幻想的で神秘的で美しい。
彼の作品を見ることは、単なる絵画鑑賞を超え、異世界への旅に出たような感覚となる。
この記事では、そんな彼の作品を紹介する。
生い立ち
ロベルト・ヴィルヘルム エークマンは、1808年にフィンランドに生まれた。
彼の父は医師であり市長も務め、彼の家は名家であった。
裕福な家庭であり、彼は幸せに成長したのだろう。
しかし彼が10歳のとき、両親が亡くなる。
彼は5人兄弟であった。残された兄弟たちは里親に預けられた。
画家の道へ
彼はフィンランドの画家グスタフ・ヴィルヘルム・フィンベルクの指導の下、美術を学んだ。
1824年に兄のフレドリヒとともにストックホルムのスウェーデン王立芸術アカデミーで学び始めた。
その後、スウェーデンの画家ヨハン・グスタフ・サンドベルク(Johan Gustaf Sandberg)のもとでも学んだ。
エークマンは学生時代からアカデミックな古典主義ではなく、庶民の生活を描いた。
1836年にアカデミーを卒業すると、旅行奨学金が授与され、1837から44年までのあいだ、オランダ、フランス、イタリアに留学した。
画家として活躍
1844年、スウェーデンに戻るとアカデミー会員に選出された。
1845年、故国フィンランドのトゥルクというまちに戻ると、トゥルク大聖堂の壁画に着手した。
このフレスコ画の壁画は1854年に完成した。
彼は教会の壁画や祭壇画の制作に力を注ぎ、ヘルシンキをはじめフィンランド国内の30以上の教会で仕事をした。
教育者として
トゥルクに移り住んだエークマンは、美術教育に取り組み始めた。
1846年、トゥルク・スクール・オブ・ドローイング(Turku School of Drawing)が設立され、エークマンが亡くなるまで指導した。
1873年にトゥルクで亡くなった。
☆ ☆ ☆ ☆
作品を感じてほしい
日本ではあまりなじみのないエイクマンだが、これからどんどん多くの人に見てもらって、彼の作品の魅力に接してもらいたいと思う。
ここでは彼の作品から厳選して10作品を紹介する。
どれも彼の魅力が溢れている。
選んだ基準は、完全なわたしの好みであることをお断りする。
なお、今回は作品名をあえて記載しなかった。
作品名があると、それに引きずられて頭で作品を鑑賞してしまう傾向にあるからだ。
知識的なアプローチで作品を鑑賞するのも楽しい。
一方で、作品を感じ取るという鑑賞の仕方も楽しいし大切だと思う。
“Don’t think. FEEL!”
これはブルース・リーが弟子に言った有名な言葉だ。
リーは続いてこう言っている。
“It’s like a finger pointing away to the moon. Don’t concentrate on the finger, or you will miss all the heavenly glory.”
月を指さす指先ばかりを見ていては、輝く栄光を見失うぞ!
意訳すればこういう風になるだろうか。
(編集部 蓬田修一)
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