アート
Posted on 2022-09-02
「もの派」の代表美術家、李禹煥(リ・ウファン) 東京初の大規模個展
芸術をイメージや主題、意味の世界から解放
開館15周年を迎えた国立新美術館(東京・六本木)で、国際的に大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する美術家、李禹煥(リ・ウファン、1936年生)の東京では初となる大規模な回顧展が開催中です。
東洋と西洋のさまざまな思想や文学を貪欲に吸収した李は、1960年代から現代美術に関心を深め、60年代後半に入って本格的に制作を開始しました。
視覚の不確かさを乗り越えようとした李は、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる動向を牽引しました。
また、すべては相互関係のもとにあるという世界観を、視覚芸術だけでなく、著述においても展開しました。
李の作品は、芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を問いかけます。
それは、世界のすべてが共時的に存在し、相互に関連しあっていることの証なのです。
会場には「もの派」にいたる前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた〈関係項〉シリーズ、そして、静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、代表作が一堂に紹介されています。
李禹煥(リ・ウファン)
1936年、韓国慶尚南道に生まれる。ソウル大学校美術大学入学後の1956年に来日し、その後、日本大学文学部で哲学を学ぶ。1960年代末から始まった戦後日本美術におけるもっとも重要な動向のひとつ、「もの派」を牽引した作家として広く知られている
国立新美術館開館15周年記念 李禹煥
会場 国立新美術館 企画展示室1E[東京・六本木]
会期 2022年(令和四年)8月10日(水)から11月7日(月)まで
休館日 毎週火曜日
開館時間 午前10時~午後6時
※毎週金・土曜日は午後8時まで
※入場は閉館の30分前まで
観覧料 一般1700円、大学生1200円、高校生800円
※中学生以下は入場無料
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料
問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
※写真は8月9日に行われたプレス内覧会で撮影した会場の模様です。
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