アート

Posted on 2023-04-02
【展覧会レビュー】「憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」



展覧会場エントランス


画像たちは「異郷」に何を求め、何を見出したのか?!
国立西洋美術館(東京・上野公園)で「憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」展が開催中です。※会期=2023年(令和五年)3月18日~6月11日

フランス北西部、大西洋に突き出た半島を核とするブルターニュ地方は、古来より特異な歴史文化を紡いできました。

断崖の連なる海岸や岩が覆う荒野、内陸部の深い森をはじめとする豊かな自然、各地に残された古代の巨石遺構や中近世のキリスト教モニュメント、そしてケルト系言語の「ブルトン語」を話す人々の素朴で信心深い生活様式。

このフランスの内なる「異郷」は、ロマン主義の時代を迎えると芸術家たちの注目を集め、美術の領域でも新たな画題を求める者たちがブルターニュを目指します。

以来、この地は流派や国籍を問わず幅広い画家を受け入れることとなり、19世紀末にはポール・ゴーガンを取りまくポン=タヴェン派やナビ派といった美術史上重要な画家グループの誕生を促しました。

今回の展覧会では、とりわけ多くの画家たちがブルターニュに惹きつけられた19世紀後半から20世紀はじめに着目し、この地の風景や風俗、歴史をモティーフとした作品を一堂に展覧することで、それぞれの画家たちがこの「異郷」に何を求め、見出したのかを探ります。

また、フランスを中心とする西洋の画家のみならず、明治後期および大正期にかけて渡仏し、ブルターニュにまで足を延ばした日本出身画家たちの足跡と作品にも光をあてる、これまでにない試みとなります。

会場には、国内の30か所を超える所蔵先と海外2館から集められた約160点の絵画や素描、版画、ポスター作品に加え、文学作品、ガイドブック、画家旧蔵の絵葉書、旅行トランクなどの関連資料も展示されています。
 
 
憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷
会場 国立西洋美術館(東京・上野公園)
会期 2023年3月18日(土)~6月11日(日)
開館時間 午前9時30分~午後5時30分(毎週金・土曜日は午後8時まで)
※入館は閉館の30分前まで
※5月1日(月)、2日(火)、3日(水・祝)、4日(木・祝)は午後8時まで開館
休館日 月曜日 ※5月1日(月)を除く
観覧料金 一般2100円、大学生1500円、高校生1100円、中学生以下無料
※新型コロナウイルス感染防止対策のため、日時指定制となります。事前に日時指定予約の上、来場ください。
※会期期間中は国立西洋美術館券売窓口にて当日券が購入可能です。案内可能な直近の時間枠が販売されます。ただし、来場時に予定枚数が終了している場合があります。
※無料入場対象の方は日時指定予約は不要です。直接来館ください。ただし、会場内の混雑等により入場を待つ場合があります。
※中学生以下、心身に障害のある方および付添者1人は無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるもの、障害者手帳を提示ください)
※新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、団体券の販売を行われていません。
※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は、本展を学生1300円、教職員1900円で観覧できます。国立西洋美術館券売窓口にてお求めください。
 
 

クロード・モネ 《嵐のベリール》 1886年 油彩/カンヴァス オルセー美術館(パリ) ⒸRMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Adrien Didierjean / distributed by AMF


 

ポール・セリュジエ 《ブルターニュのアンヌ女公への礼賛》 1922年 油彩/カンヴァス ヤマザキマザック美術館 ※展示は5月7日(日)まで


 

シャルル・コッテ 《悲嘆、海の犠牲者》 1908-09年 油彩/カンヴァス 国立西洋美術館 松方コレクション


 

岡鹿之助 《信号台》 1926年 油彩/カンヴァス 目黒区美術館

 
 
※記事冒頭の写真と下の2枚は、3月17日に行われたプレス内覧会で撮影した会場の様子です。 
 

 

 
 
 




Tags:
Posted in アート | Comments Closed

Related Posts