アート

Posted on 2026-04-03
【展覧会レビュー】「チュルリョーニス展 内なる星図」 歴史、民族、宇宙、音楽の融合


欧州のバルト海沿岸に位置する国リトアニア。ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニスはリトアニアを代表する画家であり作曲家でもある。彼の展覧会「チュルリョーニス展 内なる星図」が、東京・上野の国立西洋美術館で開催中だ。

チュルリョーニスは幼い頃から音楽の才能が開花し、作曲家としてのキャリアを歩み始めた。

次第に絵画にも強く惹かれるようになり、画家としても活動を始める。作品を精力的に制作していたが、過労などにより健康を損ね、わずか35歳の若さで生涯を閉じてしまった。

彼が絵画制作に集中的に取り組んだ時期は、1903年頃からのおよそ6年間に過ぎない。その間、300点以上の作品を創作した。

彼の生前、作品は好意的な評価を受けることはわずかだったが、現在では象徴主義と抽象とをつなぐ存在として、国際美術史のなかに位置付けられている。

彼の作品は、世紀末のアール・ヌーヴォー、象徴主義、ジャポニスムといった芸術動向に呼応しながらも、人間の精神世界や宇宙の神秘を描く幻想的な趣を持つ。音楽形式を取り入れた連作も描いており、作曲家ならではの感性がうかがえる。

彼が画業に取り組んだ時期、リトアニアはロシア帝国の支配下にあった。彼の作品はそうしたリトアニア固有のアイデンティティにも根差しており、比類のない個性を放つ。

本展では、リトアニア第2の都市でソ連併合以前はリトアニアの首都であったカウナスの国立M. K. チュルリョーニス美術館が所蔵する絵画や版画、素描など約80点を紹介している。

※写真はすべて「チュルリョーニス展 内なる星図」展における展示風景
※作品はすべて、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵 M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.

展示会場エントランス

《閃光Ⅲ[3点の連作より]》
1906年
テンペラ/紙

《春のモティーフ》
1907年
テンペラ/紙

《夏》
1907年
テンペラ/カンヴァス

《第6ソナタ(星のソナタ):アレグロ》
1908年
テンペラ/紙

《おとぎ話Ⅲ[三連画「おとぎ話」より]》
1907年
テンペラ/紙

《おとぎ話(城のおとぎ話)》
1909年
テンペラ/厚紙

《おとぎ話(王たちのおとぎ話)》
1909年
テンペラ/カンヴァス

《祭壇》
1909年
テンペラ/厚紙
「僕たちの生のすべては、芸術という永遠にして無限、そして全能なる祭壇の上で燃えつきるだろう。」という文言が絵画作品の横の壁に添えられている

会場風景(第3章「リトアニアに捧げるファンタジー」)

会場風景(第3章「リトアニアに捧げるファンタジー」および「エピローグ」)

会期 2026年3月28日[土]~6月14日[日]
開館時間 9:30~17:30(金・土曜日は~20:00)
※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日、5月7日[木](ただし、5月4日[月・祝]は開館)
会場 企画展示室B2F
観覧料 一般2,200円、大学生1,300円、高校生1,000円
※中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料(入館の際に学生証等の年齢の確認できるもの、障害者手帳等をご提示ください)
※大学生及び高校生の方は、入館の際に学生証をご提示ください。
※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生・教職員は、本展を学生1,100円、教職員2,000円でご覧いただけます。(学生証または教職員証をご提示のうえ、会期中ご来場当日に国立西洋美術館の券売窓口にてお求めください)
※観覧当日に限り本展の観覧券で同時開催の「北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより」、常設展もご覧いただけます。

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