アート

Posted on 2013-07-18
ポーラ美術館 レオナール・フジタ作品3点を新収蔵


レオナール・フジタ(藤田嗣治)《グロテスク》
1955年、油彩/カンヴァス、ポーラ美術館蔵
©Fondation Foujita / JASPAR Tokyo 2013
D0253


Editor:蓬田(よも)修一

箱根のポーラ美術館は、レオナール・フジタ(藤田嗣治、1886-1968)の最初期の作品1点と、今まで明らかにされてこなかった戦後のフジタの芸術を紐解く未発表作品2点を新収蔵しました。

新収蔵作品は《キュビスム風静物》、《シレーヌ》、《グロテスク》の3点で、最も有名なエコール・ド・パリの時代の乳白色の表現や、晩年の少女や子どもを描いた作品群とは異なる、フジタの画業の新たな側面を紹介する作品です。

このうち《キュビスム風静物》は、フジタがエコール・ド・パリの画家として「乳白色の肌」の表現で名声を博す前の最初期の作品といえます。

フジタが独自の表現を確立できたのは、洋の東西を越え、伝統的な絵画技法に深い造詣があったからといえますが、この《キュビスム風静物》は、若きフジタが当時の西洋における前衛的な美術の潮流に身をおき、新たな表現を吸収しようとする意欲が感じられる作品です。

《シレーヌ》、《グロテスク》はフジタが興味を抱いていた寓話や神話の中の幻想的なモティーフを描いた作品です。

さらに「旅する画家」とも形容されるフジタの画業を語る上で、制作地や取材旅行も重要な要素ですが、《グロテスク》は1950年代前半に幾度か訪れたスペインの影響も垣間見える稀少な作品です。

この2点は戦後のフジタの主要なテーマであった子どもや少女を描いた作品とは異なる、神話や寓話、「グロテスク」への傾倒といった今まで充分に紹介されてこなかったフジタ芸術の側面に光をあてるものといえるでしょう。2点ともに未発表作品で、ポーラ美術館で世界初公開となります。

今回新収蔵した3作品は、2013年7月13日(土)から開催の「モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新」展にあわせて公開されています。

会場 ポーラ美術館
会期 2013年7月13日 (土) ~ 11月24日 (日)
開館時間 午前9時から午後5時まで ※入館は午後4時30分まで
休館日 会期中無休
観覧料金 大人1800円(1500円)、シニア割引(65歳以上)1600円(1500円)、大学・高校生1300円(1100円)、中学・小学生700円 (500円)
※本作品の展示を含む企画展、常設展あわせてご覧になれます。
※ 土曜日は小・中学生は無料、( )内は15名以上の団体料金
問い合わせ TEL:0460-84-2111


レオナール・フジタ(藤田嗣治)《シレーヌ》
1952年、油彩/カンヴァス、ポーラ美術館蔵
 ©Fondation Foujita / JASPAR Tokyo 2013
 D0253

レオナール・フジタ(藤田嗣治)《キュビスム風静物》 1914 年、油彩/カンヴァス、ポーラ美術館蔵
 ©Fondation Foujita / JASPAR Tokyo 2013
 D0253

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