アート / 作品紹介

Posted on 2019-06-28
夏の絵画といえばこれ! アルチンボルドの四季《夏》



皇帝マクシミリアン2世に贈られた絵画

イタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルドの『四季』はその名前のとおり、それぞれの季節の4作品で構成されています。

季節の野菜や植物を使って人物を表現したこれらの作品は、自然科学に興味を抱いていた神聖ローマ帝国の皇帝マクシミリアン2世に対し、贈り物として描かれたものです。

この『夏』のモデルは熟年の女性と考えられています。使用されている食材は、ニンジンやナスにトウモロコシなどで、特にトウモロコシは当時アメリカから伝わってきた珍しい野菜です。

ナスはインド原産で、この絵が描かれた16世紀のヨーロッパでは、やはり珍しい野菜のひとつです。頬には桃、鼻にはズッキーニと、西洋美術らしい食材も見受けられます。

『四季』の4作品は現在、別々の美術館に収蔵されており、『夏』は『冬』とともに、ウィーンの美術史美術館に収蔵されています。


では、アルチンボルドはなぜこのようなユニークで表現で絵を描いたのか? その理由に迫りたい。いくつかの理由を挙げてみる。

  1. 寓意と象徴性の探求

当時の知識人や宮廷では、自然界の要素を使って人間の性質や季節、職業を象徴する寓意的な表現が好まれていた。

アルチンボルドは、ただの奇抜な肖像画を描いたのではなく、人物の性格を自然物で象徴的に表現した。

  1. 自然科学と博物学への関心

16世紀のヨーロッパでは、植物学・動物学・鉱物学など、自然に対する科学的探求が盛んになった。

アルチンボルドは神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の宮廷画家であり、皇帝の自然科学への関心に応える形で、こうした奇想天外な自然図像を描いた。

  1. ユーモアと知的遊戯

アルチンボルドの絵画は、遠くから見ると人の顔に見えるが、近づくと野菜や果物、魚や本などでできているとわかる「だまし絵」だ。

これは当時の上流階級に好まれた知的な遊びであった。

  1. ルネサンス的世界観の表現

ルネサンス期の「人間は小宇宙(ミクロコスモス)」という思想にも通じる。

自然界のあらゆる要素が人間の中に反映されるという考えを、アルチンボルドは視覚的に示した。

ほかにもあるだろうが、美術史の学問的なアプローチとは別に、わたしたちが思い思いの想像力で考えてみるのも面白い。







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