アート

Posted on 2016-05-25
特別展「ほほえみの御仏-二つの半跏思惟像-」 日韓両国の国宝の仏像を紹介




(左)国宝 半跏思惟像 飛鳥時代・7世紀 奈良・中宮寺門跡蔵
(右)韓国国宝78号 半跏思惟像 三国時代・6世紀 韓国国立中央博物館蔵 右の写真提供:韓国国立中央博物館


両国間のさらなる文化交流を祈念
日韓両国の国宝半跏思惟(はんかしゆい)像をともに展示する特別展「ほほえみの御仏-二つの半跏思惟像-」が、2016年(平成28年)6月21日(火)から7月10日(日)まで、東京・上野の東京国立博物館で開催されます。

昨年は日韓の国交正常化50周年の節目の年でした。今回の特別展はそれを記念し、両国の文化交流を一層促進させるために企画された展覧会です。

半跏思惟像とは、左足を踏み下げ、右足をその膝の上に組んで座り、右手を頬に添えて思案する仏像のことです。このような座り方を「半跏」といい、物思いにふける(思惟)姿がその名前の由来です。

半跏思惟像は、インドから中国、朝鮮半島、日本へと伝わりました。日本や朝鮮半島では6世紀から8世紀にかけてたくさんの像が作られ、その中には古代仏教彫刻の傑作と言われる仏像もあります。

今回展示するのは、中宮寺門跡(奈良県)に伝わる国宝の半跏思惟像と、韓国国立中央博物館が所蔵する国宝78号です。この2体の仏像がともに展示されるのは今回が初めてのことです。日韓両国の仏像の美に触れられる貴重な機会だと言えるでしょう。

新旧の仏像表現が融合した半跏思惟像
中宮寺門跡は飛鳥時代、斑鳩の里で建立された聖徳太子ゆかりの古刹です。平安時代には、法隆寺や四天王寺と並ぶ太子創建の七ヶ寺のひとつとされていました。

鎌倉時代の信如比丘尼による再興を経て、江戸時代からは宮家より尼増を迎える尼門跡寺院として信仰を集めてきました。

国宝「半跏思惟像」は、背筋を伸ばし、右足を左足の上に組んで坐具に座り、右手の中指を頬に当てて思案しています。

日本で仏像製作が始まったのは7世紀初め。この像は7世紀後半の作で、肉身の起伏や衣の襞の形を単純化した旧来の表現と、柔らかい微笑み、ゆったりとした姿勢など新しい表現とが重なり合っています。清楚で上品な雰囲気を醸し出しているのも魅力です。

6世紀後半に製造された83センチの大作
韓国中央博物館は、韓国を代表する総合博物館です。収蔵作品は約38万点に及び、朝鮮半島ばかりでなく広くアジア全域の歴史文化を紹介。年間の来場者数は300万人を超えます。

三国時代の朝鮮半島では、多くの半跏思惟像が製作されました。韓国国宝78号「半跏思惟像」は、三国時代6世紀後半の作で、韓国でも早い時期の像です。

高さが83センチある銅像の大作で、金剛仏らしい鋭利な表現が見られる一方で、ふくよかな指をふっくらとした頬に添え、伏し目がちにしながら、口元に微笑みをたたえています。

特別展「ほほえみの御仏-二つの半跏思惟像-」
会期
 2016年(平成28年)6月21日(火)から7月10日(日)まで
会場 東京国立博物館 本館特別5室
観覧料 一般1000円、大学生700円、高校生400円、中学生以下無料

国宝 半跏思惟像(顔正面)

韓国国宝78号 半跏思惟像(顔正面)写真提供:韓国国立中央博物館

以下は6月20日に行われたプレス内覧会で撮影した会場のもようです。

展覧会場エントランス。会場は東京国立博物館 本館5室。正面入口を入って突き当たりの部屋です。

奈良・中宮寺門跡の国宝 半跏思惟像。飛鳥時代、7世紀の作品です。

韓国国立中央博物館から来日した韓国国宝78号 半跏思惟像。三国時代、6世紀の作品です。




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締め切りは、2016年(平成28年)6月10日24時です。

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