アート

Posted on 2020-01-22
【展覧会レビュー】上村松園「香高い珠玉のような絵」 山種美術館で美人画の世界を堪能



上村松園 《蛍》 1913年(大正2年) 絹本・彩色 山種美術館 


山種美術館 松園コレクション18点を一挙公開
京都で生まれ育った上村松園は、江戸や明治の風俗、和漢の古典に取材した女性像などを描きました。

美人画の名手として高く評価され、1948(昭和23)年には、女性として初めて文化勲章を受章しています。

今回の展覧会「上村松園と美人画の世界」は、山種美術館が広尾に移転して開館してから10周年を迎えたことを記念する展覧会です。

同館が所蔵する松園コレクションから18点を一挙公開していますので、松園ファンにとっては必見です。

松園作品は会場に入ってすぐのエリアに並んでいます。松園は「女性は美しければよい、という気持ちで描いたことは一度もない」と言います。

「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするとろこのものである」

会場で松園の絵を見ていると、まさに「香高い珠玉のような絵」という言葉がぴったりという気がします。

さらに自分が描く絵について、こうも言います。
「その絵を見ていると邪念の起こらない、またよこしまな心を持っている人でも、その絵に感化されて邪念が清められる・・・・・・そういった絵こそ私の願うところである」
(上記引用はいずれも昭和18年「楼霞軒雑記」より)

私も松園の絵を見ていると、邪念が清められるようでした。

松園作品の奥のエリアには、松園と同時代に活躍した鏑木清方や、その弟子の伊東深水の美人画、さらには村上華岳、小倉遊亀、橋本明治などの女性像も並びます。松園作品とあわせてこれらの美人画も見られますから、見応え十分です!

山種美術館の創立者、山﨑種二(1893(明治26)年~1983(昭和58)年)は、松園と親しく交流しながら作品を蒐集しました。今回の展覧会でも、松園が山﨑種二に宛てた手紙も、松園作品の近くにケースに入れられて展示されています。

手紙は達筆な字で書かれています。あまりに達筆すぎて今の私たちには残念ながらすべて判読できませんが(手紙の書き方や、使っている言葉も今と大分違うので、慣れないと読みにくいということもあります)、手紙の内容を活字で起こした文章が、手紙の横にあるので有り難いです。

今回の展覧会は、松園をはじめ、近代・現代の様々な日本画家が描いた多彩な美人画の世界が楽しめる展覧会です。松園ファンや美人画ファンのみならず、これまで関心はあったけれど見る機会がなかったという人も、ぜひ訪れてみたらいいかもしれません。自分の美術鑑賞の世界に、さらに新たな世界が開けるでしょう。私もそうでした。
(TEXT:蓬田修一)
 
山種美術館 広尾開館10周年記念特別展
上村松園と美人画の世界
会期
 2020年(令和2年)1月3日(金)から3月1日(日)まで ※会期中、一部展示替えがあります
会場 山種美術館
休館日 月曜日 ただし、1/13(月)、2/24(月)は開館、1/14(火)、2/25(火)は休館
入館料 一般1200円(1000円)、大高生900円(800円)、中学生以下無料
※( )内は20人以上の団体料金
 
 

上村松園 《砧》 1938年(昭和13年) 絹本・彩色 山種美術館 


 
 

上村松園 《牡丹雪》 1944年(昭和19年) 絹本・彩色 山種美術館 


 
 

村上華岳 《裸婦図》 【重要文化財】 1920年(大正9年) 絹本・彩色 山種美術館 


 
以下は1月8日に行われたプレス内覧会での会場のもようです。
 

 


 

 


 

 




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