アート / コラム

Posted on 2020-07-29
アート鑑賞 ムリーリョの《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》





こんにちは
宮川です。

今回も、アート作品をご一緒に鑑賞して参りましょう!

ムリーリョの《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》です 。

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ(1617年~1682年)は、バロック期のスペインの画家で、17世紀のスペイン黄金時代美術を代表する画家のひとりです。

この作品は、1660年~65年に描かれた天地165cm×左右106cmの油彩画です 。

子どものヨハネが神の子羊を抱いている構図です。

キリスト教においてヨハネはふたりいて、キリストに洗礼を授けるヨハネと、キリスト最初の弟子のひとりであるヨハネがいますが、こちらは前者のヨハネです。

キリスト教美術において、ヨハネは好んで題材となる聖人のひとりです。

幼いヨハネが、岩場で神の子羊を抱いているのは「荒野のヨハネ」というモチーフです。

通常は成人したヨハネが描かれるのですが、ムリーリョはかわいらしい子どもを描いているところが特徴です。

子羊が高い場所にいるので、ヨハネが立ち姿で全身見えるように描かれています。

記念撮影でもするように、子羊もヨハネもこちらを向いてにっこりしていますが、こちら側には誰がいるのでしょうか。

この作品は、ロンドン・ナショナル・ギャラリーのコレクション。

ムリーリョの描く少年少女は愛らしくて、存命中からイギリスでは人気でした。

この作品は19世紀半ばにロンドン・ナショナル・ギャラリーで公開されるようになり、当時は最も頻繁に模写された作品のひとつだったそうです。

東京・上野の国立西洋美術館で開催されている「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に展示されています。

これからも素敵な作品を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!
 
 
  




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