アート

Posted on 2013-05-21
東京都写真美術館でコレクション展「写真のエステ」 写真の美を紹介


佐藤時啓 《Breath-graph》より 「#155 YUBARI」 1992年 ゼラチン・シルバー・プリント


Editor:蓬田(よも)修一

東京都写真美術館で、「写真のエステ」が開催中です。
同館では毎年、テーマを設けてコレクションの中から選りすぐりの名作を展示しています。
今年度は、「写真のエステ」をテーマに、19世紀の初期写真から現代作品まで、3期にわたってさまざまな表現傾向を紹介していきます。

18世紀のドイツの哲学者・バウムガルテンは「感性学」を意味する「エステティカ」という学問を提唱しました。
このエステティカは日本に伝来し「美学」と訳されました。

現在、「エステ」というと、一般的には全身美容術を指しますが、もともとは18世紀ヨーロッパで生まれた「感性学」から派生しています。

今回の展覧会「写真のエステ」は、「写真の美しさはどこである?」という問いかけから出発して、2万9000点を超える写真美術館の豊富なコレクションをもとに、3人の企画者がそれぞれに感じる「写真の美」のあり方を、3期にわたり紹介するものです。

現在開催中の第1期は、「五つのエレメント」と題し、同館学芸員の石田哲郎氏が「美の価値判断には『感性』という私的なものが基準となるはず」との考えのもとに作品を選び展示を構成しています。

「他者と感性を共有できるとしたら、多様な写真表現をエレメント(構成要素)に還元することが有効」だと考える石田氏は、今回の展示を「光」「反映」「表層」「喪失感」「参照」の5つのエレメントに分けて会場をつくりました。

第1期「五つのエレメント」の会期は、2013年5月11日から7月7日まで。引き続き、第2期「写真作品のつくりかた」が7月13日から9月16日まで、第3期「コスモス-写された自然の形象」が9月21日から11月17日までの会期でそれぞれ開催されます。

川内倫子 《イリディッセンス》より 2009年 発色現像方式印画

撮影者不詳 《女性と少年像》 19世紀 ダゲレオタイプ

平成25年度 東京都写真美術館コレクション展
写真のエステ – 五つのエレメント

会期 2013年5月11日(土)から7月7日(日)まで
休館日 毎週月曜日
料金 一般500(400)円/学生400(320)円/中高生・65歳以上 250(200)円
( )は20名以上の団体、当館の映画鑑賞券提示者、三越カード、アトレビューSuicaカード会員(トワイライトカードは除く)の割引料金

写真のエステ – 五つのエレメント

以下は会場のもようです(5月13日のプレスツアーにて撮影)

奥の壁には「反映」、手前の壁には「表層」の作品が展示されている

クリスチャン・ボルタンスキー《シャス高等学校》(1991)が展示されているコーナー

「喪失感」の展示コーナー



  
  
 

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