アート

Posted on 2023-06-16
「田沼武能 人間讃歌」 人間ドラマを撮り続けた写真家の軌跡


 

 
写真家・田沼の70年を超える軌跡を辿る
東京・恵比寿の東京都写真美術館で「田沼武能 人間讃歌」が開催中です(会期:2023年(令和五年)6月2日(金)から7月30日(日)まで)。

田沼武能(たぬま・たけよし 1929年2月18日~2022年6月1日)は、東京写真工業専門学校(現・東京工芸大学)卒業後、写真家・木村伊兵衛に師事し、『芸術新潮』の嘱託写真家として芸術家や文化人を撮影、その後はタイム・ライフ社の契約写真家となるなど、フォトジャーナリズムの世界で華々しい活躍を展開しました。

1972年からはライフワークとして世界の子どもたちを撮影、黒柳徹子ユニセフ親善大使の各国訪問に私費で同行取材を行い、生涯で130を超える国と地域に足を運びました。

国内外で精力的な取材活動を展開し、自身の作品を発表し続け、その旺盛な好奇心と行動力は生涯衰えることはありませんでした。

その一方で、母校・東京工芸大学で後進の指導にあたり、日本写真家協会会長、日本写真著作権協会会長、日本写真保存センター代表など写真界の要職を歴任しながら、わが国の写真文化の普及啓発、写真の著作権保護にも力を注ぐなど、大きな役割を果たしました。

本展では未発表最新作「武蔵野」を初公開するとともに、ヒューマニスティックなまなざしで人間のドラマを描き続けてきた田沼の70年を超える写真家としての軌跡を辿ります。

第1章 | 戦後の子供たち
自身も思春期を戦時下で過ごし、東京大空襲で凄惨な経験をした若き日の田沼は、 生まれ育った下町で終戦後の東京で生きる子供たちの姿を活写しました。

生き生きとした子供たちの姿と、彼らが映す今は失われた昭和の日本の姿を伝えます。

第2章 | 人間万歳
何よりも人間の「生きる姿」に興味を持った田沼は、生涯のライフワークとして世界の 子供たちをはじめ、世界の人々の写真を撮影することに注力しました。田沼を魅了してやまなかった世界の子供たち、世界の人々のまなざしに触れます。

第3章 | ふるさと武蔵野
東京の下町に育った田沼にとって、心象風景としての「ふるさと」のイメージそのものだった「武蔵野」。

戦後の高度経済成長の陰で急速に姿を変えようとしていた日本の原風景に目を凝らし、生涯にわたり撮影を続けた「武蔵野」を紹介します。
 

田沼武能 人間讃歌
会場 東京都写真美術館 B1F 展示室
会期 2023年(令和五年)6月2日(金)から7月30日(日)まで
休館日 毎週月曜日(ただし7/17(月・祝)は開館、翌7/18(火)休館)
料金 一般700円(560円)、学生 560円(440円)、中高生・65歳以上 350円(280円)
※( )は同館の映画鑑賞券の提示者、年間パスポートの提示者(同伴者1人まで)、各種カード会員割引料金。
※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの人とその介護者(2人まで)、年間パスポートの提示者(企画展4回まで)は無料。
  

《紙芝居はいつも次の日の展開が楽しみだ、佃島》 1955年 東京都写真美術館蔵 

《家族全員でトラクターに乗って、チリ、サンチャゴ郊外》 1976年 田沼武能写真事務所蔵 

 《若宮橋の川遊び、坂戸市厚川》 2015年7月 田沼武能写真事務所蔵 

 

下の3枚は会場風景。

  

 
 

 


 

  

 
 
会場エントランスには、田沼が使っていたカメラを展示。

 

 
  
    




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