アート

Posted on 2013-10-07
奈良国立博物館で「第65回 正倉院展」 奈良天平文化の宝物



Editor:蓬田(よも)修一

2013年10月26日(土)から11月11日(月)まで、奈良国立博物館で「第65回 正倉院展」が開催されます。

今年の正倉院展は、北倉11件、中倉26件、南倉26件、聖語蔵3件の計66件の宝物が出陳されます。このうち、16件は初出陳です。

出陳品は正倉院宝物の全体像がうかがえる構成となっていますが、とりわけ23年ぶり二度目の出陳となる漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)をはじめとする仏具の優品、平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)や屏風など聖武天皇のご遺愛品が数多く出陳されるのが注目されます。

このほか、わが国固有の楽器である和琴をはじめとする楽器や伎楽面、投壺や弾弓といった古代の遊びの姿を伝える遊戯具、奈良朝の人々もミニチュアを愛玩していたことを物語る紫檀銀絵小墨斗(したんぎんえのしょうぼくと)などの佩飾品(はいしょくひん)や刀子(とうす)、正月初卯の日に用いられた椿杖(つばきのつえ)などの年中行事品、奈良朝の人々の暮らしを伝える文書などが出陳されます。

本年の特徴の一つに宝物を守り伝えてきた人々の努力がうかがえる品が多い点を挙げることができます。たとえば、平螺鈿背円鏡には保存状態の完好な1面のほか、盗難によって大破したままの1面、破損したものを明治時代に修復した1面の計3面が展示されるほか、古櫃に納められていた塵芥を延ばし、修理したことで聖武天皇ご遺愛の屏風であることが判明した鹿草木夾纈屏風(しかくさききょうけちのぎょうぶ、出陳番号7)と菴室草木鶴夾纈屏風(あんしつくさきつるきょうけちのびょうぶ)も出陳されます。

あわせて、宝庫の錠と鍵、宝物を納めていた古櫃、江戸時代に徳川家康によって奉納された慶長櫃(けいちょうき)なども出陳されます。

もう一つの特徴としては、絵画的表現の見られる宝物が多いことです。前述の屏風は染織品ですが多分に絵画的な要素を持ち、檜和琴(ひのきのわごん)の玳瑁絵には山野に遊ぶ愛らしい獣が描かれているのにも目を惹かれます。

漆金薄絵盤の蓮弁に描かれた文様は、奈良朝の絵画としても貴重な品です。

第65回 正倉院展
会期
 2013年10月26日(土)から11月11日(月)まで 全17日、会期中無休
開館時間 午前9時~午後6時
※金曜日、土曜日、日曜日、祝日(10月26日・27日、11月1日・2日・3日・4日・8日・9日・10日)は午後7時まで
※入館は閉館の30分前まで
会場 奈良国立博物館 東新館・西新館
観覧料金 一般1000円(900円/700円)、高校・大学生700円(600円/500円)、
小・中学生400円(300円/200円)
( )内は(前売りおよび責任者が引率する20名以上の団体/閉館の1時間半前以降に発売するオータムレイト券)
問い合わせ 電話 NTTハローダイヤル 050-5542-8600

第65回 正倉院展


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