アート / コラム
Posted on 2020-10-06
【アート鑑賞】クロード・モネ《印象・日の出》
今回の作品はクロード・モネ《印象・日の出》です。
1872年(明治四~五年)の作品。
モネの故郷であるル・アーヴルの港を描写しています。
ル・アーブル港は、ノルマンディ地方、セーヌ川が海に流れる河口の港です。
モネはル・アーヴル港をテーマにした作品をいくつも描きましたが、これはそれらの中でも最も有名な作品です。
この作品が有名になったのは、1874年(明治七年)4月に開催された展覧会(のちに「第1回印象派展」と呼ばれるようになる)に出品され、美術史上において重要な意味を持つようになったためです。
ちなみに、この展覧会には30人以上の画家が参加し、200点以上の作品が展示されました。
およそ4000人が来場したと伝わっています。
展覧会の来場者のひとり、評論家ルイ・ルロワは、風刺新聞のレビュー欄において、この展覧会について軽蔑の念を込めて「印象主義の展覧会」と評し、記事のタイトルにもしました。
ここから図らずも、この展覧会が「印象派展」と呼ばれるようになり、この《印象・日の出》が印象派を代表する作品になったとともに、印象派の名前の由来ともなりました。
画面の波模様は、少ない色彩で簡略に描かれています。
これまでのように、現実をありのままに描くのではなく、モネが感じた主観的な風景を描いたものです。
この意味で、この作品は印象主義の出発点になり、美術史上において重要作品となりました。
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