アート

Posted on 2011-06-02
江戸東京たてもの園で、「特別展 武家屋敷の表と奥」  当主の居住場所に着目し、江戸城から下級幕臣住居まで通観


Writer:蓬田(よも)修一

東京都小金井市にある江戸東京たてもの園では現在、「特別展 武家屋敷の表と奥」を開催しています。

武家の住まいは江戸城から御家人の住居まで、表と奥という双方の機能で成り立っています。

それは家の平面構造つまり間取りを指すと共に、家の運営という面からもいえることで、ハードとソフト両面にまたがっていることです。

表は男性である当主や家臣が政治に関わる任務を執り行い諸儀式が行われる場で、奥は家族の生活空間で夫人や女中が世継ぎを産み養育して家の再生産を行う場であるとともに、儀礼という広義の政治的役割も担っていました。

表・奥と単純に分けて説明してきましたが、当主である将軍や大名(藩主)等の居住空間は構造上、表と奥の中間に位置することが多いといえます。

江戸城本丸御殿の内、将軍の居所は明白で、奥[中奥]と呼ばれ表と大奥の間の空間を指します。

しかし、大名屋敷における藩主の居住場所は一様でなく、数パターンに分類できます。

大身の旗本屋敷は大名屋敷と類似していますが、石高が下がり屋敷の規模が小さくなると、当主の居住場所は奥に内包され、表と奥の境も明確でなくなります。

今回の展示では当主の居住場所に着目して、将軍の住まいである江戸城から下級幕臣の住居までを通観して、表・奥という視点から構造を分析していきます。

会 期 : 2011年4 月23 日(土)~ 7 月10 日(日)
主 催 : 江戸東京たてもの園
会 場 : 江戸東京たてもの園 展示室
休園日 : 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日) 年末年始
入園料 : 一般400円  中学生(都外)・高校生・65歳以上200円  大学生320円 
※小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料

江戸東京たてもの園 オフィシャルサイト

蜷川家上屋敷絵図 所蔵:江戸東京博物館

陣羽織(蜷川家伝来) 所蔵:江戸東京博物館

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